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ぎんせん堂だより

ginsendou.exblog.jp

凌駕する美。

おはようございます。



桜さくら、桜、さくら、

なんだろう、この儚さとうつくしさ。。。。。。。



もう、散り尽くして、

アスファルトの端っこにふき溜まってしまっているのに、

びっちり張り付いてしまっているのに、

くちゃっと色褪せてしまっているのに、

なんだか、きれいなものを感じる。



新しいショーウィンドウに、新鮮な春の空気を送り込みたいなぁ、

と思ってはいるけど、できるかな。。。。。



最近までは満開の桜がなんだか嫌で、

3分咲きくらいの、ひかえめな加減がいいな、と思ってたんだった。

でも今はね。



いちばん好きな桜はほんとの桜じゃなくて、

歌舞伎の舞台に描かれた背景画の中の、春爛漫の桜桜桜。。。。。。。



三味が「ぺん。。。。。」と鳴ると、



一枚、、、、、、、



時をおいてまた、はらり、、、、、、、、



張り裂けんばかりに咲き誇るいちめんの桜。

桜に想いをかけた舞台人の情熱が、桜色の濃密な空気に包まれて

目も覚めるような舞台に充満する。



ホンモノより桜を感じさせる演出効果に、日本人の美意識の高さを思い知らされる。



桜の舞台は『義経千本桜~道行初音旅~』だけではなく。

『菅原伝授手習鑑~車引~』

『白波五人男~稲瀬川勢揃い~』

『京鹿子娘道成寺』

『助六由縁の江戸桜』などなどなどなど。。。。。。。



『白波五人男~稲瀬川勢揃い~』(弁天小僧が有名)では、

舞台上空から滝のように垂れ下がる、「桜の釣り枝」も華やかで、

5人のいなせな男たちが蛇の目傘をあやつり、

それぞれの出自を名乗る名場面は必見の価値あり。



あー、南座行きたい~~~!



5月の南座は『伽羅先代萩~伊達の十役~』(めいぼくせんだいはぎ)by 市川海老蔵さん。

高校生(中学?)のころ、猿之助さん(現猿翁さん)で歌舞伎の醍醐味を教わったひとりとしては

本当に楽しみで楽しみで。

三代目に比べてちょっと(だいぶ)イカツイけど、政岡がんばっていただきたい。

仁木弾正はたぶん、ワルかっこよいのではと期待。



小さいときおばあちゃんに、「おなかすいたー!!!」とだだをこねると、

「せんまっつぁんやなぁ。

『腹が減ってもひもじゅうない』ゆうとき!」

と言われたのを、今でもよく思い出しては懐かしがってばかり。

始めて『先代萩』をみたとき、

「これかぁ~。。。。。これが『千松』かぁ~。。。。。」

と、それこそ子ども心に、腑に落ちた瞬間でした。※



おばあちゃん、銘文句教えてくれてありがとうね。

身をもって覚えたから、一生わすれへんよ。



写真ネタがないので、これでも。

凌駕する美。_d0156019_20541687.jpg

「なぜそんな、ところにいるのよおちるでしょ」   ~ぎんせん堂、心の俳句~




☆少しでもご興味ある方☆
歌舞伎の中でもかなりスペクタクル感、ストーリー性、サスペンス!
しかもドラマチックでアクロバチック!
とある小さなどーぶつさんも出てくるので、
若い方でも通し狂言を楽しんでいただけると思います♪
『伊達の十役』は、ひとり(今回は海老蔵さん)で十役(男女)演じ分けがみどころ。


『五月花形歌舞伎』
平成25年5月3日(金・祝)~27日(月)
昼の部 午前11時~
夜の部 午後4時~
☆『伽羅先代萩』は午後の部
by ginsendou | 2013-04-10 07:57 | こんなこともあった。